2014年12月04日

スクーリング旅行記

 皆さんこんばんわ。 庶務課の仲眞です。
 
 今日のブログは少し長文です。

 の4月頃このブログに書きましたが、僕はいま通信教育で社会福祉主事という資格を取るために勉強をしています。学習期間は10カ月ほどあるのですが、この間に神奈川県の横須賀市でスクーリング(現地の大学へ行き研修を受ける勉強会)が1回あり、今回そのスクーリングに行ってきました。期間が長く5泊6日と年休を3日半も使って庶務課の皆さんにご迷惑をかけながら参加しました。(皆さんありがとうございました。)

 初日、13時半出発予定の飛行機にオイル漏れが発覚しその便は欠航になりました。現地にもたどり着けずに終わるのかと思いましたがなんとか3時間後の便に空席があったので無事に乗れました。その後、空路の混雑による出発遅れなど細々としたハプニングがあり羽田空港にたどり着いたのが20時です。電車に乗り横須賀着は21時半でした。横須賀中央駅という横須賀米軍基地のすぐとなりにある駅で、まるでコザの空港通りのように日本人より外人さんがたくさんいる場所でした。21時にはこのあたりのお店はほとんど閉まるらしく、シャッター街に外人さんがたくさんいる街中を地理感もなく歩くのはほんとに心細かったです。

 今回、僕は研修という目的以外にもう一つやってみたい事がありました。皆さんネットカフェ難民という言葉を知っていますか?
 利用時間内はパソコン使い放題、ジュース飲み放題、シャワーにも入れるインターネットカフェ(通称ネットカフェ)という夢のような場所があります。そこは個室なのですが1畳半ほどのフラットな場所もあり毛布も貸してくれるので、そこで睡眠をとることもできます。最近フリーターや日雇い労働者などのいわゆる低賃金労働者がこのネットカフェで寝泊まりをして生活をするというネットカフェ難民と呼ばれる人たちの出現が社会問題になっています。実は今回このネットカフェ難民になり5日間乗り切ろうと考えました。とりあえずホテル代をうかせられるという理由です。
 僕はネットカフェに泊まるのは初めてでした。もし予約がいっぱいだったら寝る場所どうしよう・・・内地の冬に野宿はいやだな・・・難民に財布とられたらどうしよう・・・など様々な不安を抱きながら店内に入りました。でも心配とはうらはらに宿は難なくとれて、しかもかなり綺麗でした。多少煙草臭さはありましたが安い宿なので贅沢は言えません。そんなこんなで眠りにつき、となりの部屋でネットをやっている外人の爆笑する声など少し気になる点もありましたが問題なく眠れました。

 翌日はバスで研修会場へ向かいました。会場は雲のかかるような高い山の上にありました。
 研修内容は4日間講義やグループ演習を行い、4日目の最後にテスト、5日目に講話でしめるというものでした。充実した講義内容はもちろんですが今回のスクーリングで一番自分の糧になったのは同じ受講生とのかかわりでした。
 この研修には障害者関係施設の方はほとんど参加しておらず、8割は老人福祉関係の方たちでした。そのため障害者福祉の研修では聞けないような介護現場の話が聞けたり、グループ演習でブラインドウォーク(目隠しをして行う、目の見えない方の介護訓練)を行った際には普段から目の見えない老人を介護している受講生に介護のコツを教えてもらうなど、とても深い関わり合いができました。
 5日間僕のとなりに座っていた福岡県の方はまだ23歳にもかかわらず考えがとてもしっかりしており、介護に対する自分の考え方、この資格を取ったあと何に繋げるか、この内容を現場に持ち帰りどう活かすかまで考えておりとても年下には思えませんでした。(考え方だけです。見た目は若い好青年です。)

 
 そんなこんなで無事4日目の試験に合格し、5日間のネットカフェライフを終えることとなりました。終わってみれば5泊6日はあっという間でとても意義あるスクーリングとなりました。
 でも僕がこの5日間で深く考えたのは研修よりもネットカフェのことでした。とても便利で利用料金もお手頃ないい場所だと思います。僕の様に旅行かばんをもった方が他にもいました。外人さんは週末の楽しみのようで泊まりこみで利用していました。終電を逃した夜のお姉さんらしき人も利用していました。しかし危うさを感じるのはそんな場所で生活ができてしまうことです。日雇いでも給料が安くてもここで十分雨風はしのげます。飲み物に困らず、風呂に困らず、寝るのにも困りません。
 去年の10月、兵庫県で妊娠した29歳の女性がネットカフェのトイレで出産し、その産声に驚いて赤ちゃんの口を塞いだところ指が口の中に入り赤ちゃんを窒息死させてしまったという事件がありました。この女性は臨月になってもネットカフェを転々としていたそうです。ネットカフェは居住の場でもなくましてや病院でもありません。でもこんな生活しかできなかったこの女性や赤ちゃんを思うとネットカフェの中でブルーになりました。これもまた福祉のセーフティネットから抜け落ちた残念なケースなのでしょう。

 は福祉にかかわる福祉の実践者としてとても貴重な体験をさせていただきました。研修はもちろんですが自分の生活がどう成り立っているのか、家族の有難さ、地域社会とのつながり、福祉の必要性などたくさん考える時間をいただけました。これからの福祉課題は社会の流れに沿うように変化し、思いもよらないかたちで露呈してくるかもしれません。その時その課題に対して対処しうる社会になっており、その一つの役割を僕自身が担えていたらと思います。

3日半のお休みでご迷惑をおかけした庶務課の皆さん、5日間家を空け家事や育児を押しつけてしまった嫁さん、これから家事、育児を死ぬ気で頑張ります。貴重な体験ありがとうございました。


スクーリング旅費費用(5泊6日)

  ・飛行機代            34,000
  ・電車、バス代          5,390
  ・ネットカフェ代         12,684
  ・食事代(概算)          6,000              
  ・コインロッカー代          400
  ・コインランドリー代         400 

   
     ≪ 合計金額 ≫  58,874円


スクーリング旅行記  スクーリング旅行記
   ネットカフェの様子          研修会場:ロフォス湘南


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 中庭で鴨を飼っていました      周辺の山々の景色





Posted by そてつの会 at 00:17│Comments(0)
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